Tuesday, December 9, 2008

第二話

第二話です。

魔女はライという狼を苦しませるしか考えられない数日の後、やっと行動を始めた。ライの森にいって、自ら狼に化けた。それもただの狼ではなく、麗しくて強い牝狼であった。狼になった魔女は鼻が凄く効いて、ライのにおいをたどってすぐライとその仲間が休んでいた所に着いた。
見知らぬ狼の登場に狼たちの誰もが戸惑った。ライさえ魔女である牝狼の凛々しさに見とれた。
「誰?」、と、ライは子犬の様な弱々しい声で訪ねた。さすがに狼の姿で現れた魔女の正体に気づく事はなかった。
「私はマッカ。」何の迷いもなく答えが来た。「そちらこそ、早速名乗りなさい。それが礼儀であろう。」
ライに対してこのような態度をとる狼はいない。というより、いなかった。それ以上に一匹狼が見知らぬ狼集団のアルファにたてつくとは…いや、それ以上に牝狼が一人で森をうろついているというのが…それ以上にこの森で知らない狼たちがいたとは…魔女の登場についての謎は数えきれないのであった。
なのにライはその無礼な態度に文句一つもせず、ただ「ライ」と答えてまた黙り込んだ。
「そなたがアルファか。」無論魔女はライがアルファである事を知っていた。
「ああ。…お前、連れはいないのか?この森のものではなさそうだが…」
「私は遠くから来た。」それ以上言うつもりがないと、マッカと名乗った狼は少ない言葉ではっきり証明した。「今は私一匹しかいない。」
「なら…」ライは精一杯の勇気を集まった様な表情で言った。「なら、俺たちと一緒に来ないか?」
数日後はっきり断られた魔女が、こうも簡単に仲間入れされたとは!ライという狼はやはり、こんなにも狼である事にこだわるのだなとマッカの中の魔女は思った。少し悔しかった。人間の方が力持ちなのに…なんて安っぽいプライドなのだろう。魔女は多分、自分のプライドを損な風に思っていなかったのであろう。
今までは魔女の計算通りである。それからの数ヶ月間も、全く問題がなかった。ライに信頼されようと、愛されようと、思った魔女の計算は順々に進んで行った。
ライはまさしくマッカの虜であった。昼も夜もマッカがそばにいないと落ち着く事はなかった。その言葉も仕草も、何一つ面白くて大切であった。そしてマッカもその想いに答える振りをした。冬が来た頃には、マッカのお腹の中にライの子犬たちがいた。
冬は長かった。狩りの凄腕のライでも、皆の食欲を満たす獲物を見つけ出すのは決して簡単ではなかった。それなのにライはあきらめという言葉を知らないみたいに努力した。強くて足が速くても全く狩りの経験がないマッカさえ何度も救われた事がある。
そのうちに不思議とある感覚がマッカの心の中で芽生え始めた。ライに対して好意を持つふりはだんだんしやすくなった。ライの気持ちが深めるたびに、魔女の心の中の不安があがった。
やがて春は来た。そして魔女は最後の計算をやり遂げずにいた。子犬達が生まれる前にせねばならないというのに、ためらいを押さえる事は全く出来ないでいた。雪が全て溶けた頃にはもう耐える事は不可能であった。ライと二人だけの時を選んで、全てを告白した。ライに近づけて、愛されて、妊娠して、最後にライの目の前で自分の子犬達を殺す−ただライを傷つけるために作った悪巧みは、今や言葉では告げられないくらい後悔した魔女であった。
ライは顔色一つ変えずに全部を聞いた。マッカが本来の姿、魔女の姿、二戻った時だけ動揺をほんの少し見せた。
「この森を去れ。もう二度と戻るな。」
「嫌だ…ライ、聞いておくれ。私はもうそなたを傷つけたくない。このまま…このまま一緒に—」
「お前は本当にそれでいいのか?だったら…今、お前が人間の姿に戻った時…その安心の表情は何だったというんだ。お前が狼のままでいたかったのなら俺もそれを認めているのかもしれん。だがお前は嫌だろう。俺には分かる。」
「い…いいのではないか!私の魔法でそなたも人間に出来る!ライなら素敵な人間になるはずだぞ?頼むから一緒に人間の町まで来てくれ。きっと…そこで私たちはきっと幸せになれる。この子達と一緒に、幸せに…」
「無理だ。」
「なぜ!」
「俺は狼。狼でしかいられない。姿を簡単に変える事の出来るお前には分からないだろうが、事実だ。だからもうここを去ってくれ。二度と合う事はないだろう。」
魔女はもう言葉を一つも言い出せずに森から逃げた。
数週間経って森の中で大上達は一匹の生まれたばっかりの子狼を見つけた。一瞬でライの子だと分かった。その子は人間である母の血を一点もひいていないかのようにまぎれのない狼で、森の中で長くて幸せな一生をつくした。
遠い町に、その狼に何となく似ていた一人の魔導師もいた。魔女の名の高い母親と同じ何でもすぐ手に入れるような才能を持っていた。姿を変える事だけはなぜか出来なかったそうであるが、聡明な人はそれを欠点とは呼ばなかった。自分の姿を変えて幸せになった人など、非常に少ないから。
そしてもう一人…いや、もう一匹というべきか。人間にも狼にも魔法を使わずに化ける事の出来るある存在の噂があった。人間の誰もから恐れられて、狼からも拒絶された。自分の「どちらにもなれる」という本性を隠す意外に生きるすべがなかった。
一匹の狼、一人の魔導師、そしてなんと呼ぶべきか迷う一つの何か。果たして、マッカの復習の末はこの三人であった。

そしてジャックという少年がいた。彼は両親とは違った。両親は狼などには馴れなかったし、ジャックのようなむなしい光栄の光を飾っていなかった。動物園でみた狼達とも違った。狼達は本を読んだり会話したりしなかった。
仲間はいたのか。それとも広い世界で彼一人がこういう存在だったのか。もしかしたらライと魔女の血筋でもひととき一人しかいなかったのかもしれない。ジャックは何となくそんな気がした。一人だ。一匹だ。2つにもなれた優秀な少年は、自分が半分だけの存在だとよく、とてもよく、理解していた。

終わり

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雪だぁ

去年に比べると、今年は雪が少ない方だなぁ。雪は大好きだけど、クラスに行かなくちゃいけない学期の最後くらい降っても困っちゃうの。でも今からどんなに降っても大歓迎。吹雪大歓迎。だってほら、今からクラスとかもうあまりないし、別に決めた時間にどっか行かなくても平気。遅れてもオーケーみたいな十二月があたしは超好き。
今思い出すとさぁ、去年の最高の思い出って、初雪だったんだね。夜中突然大雪になって、みんなで外に遊びに行った。大声出して、クァードを走り回って、いっぱい楽しい事したの。本当に子供の頃に戻った感じがして、結構幸せだった。そのときもあたしはいろんな不安を抱えて、やがて大学にいられなくなったんだけど、いい思い出はそれでもいい思い出だよね。それはそれ、これはこれ、って訳か。
もう少しがんばろうね。

Wednesday, December 3, 2008

数学


友達にこういう事抜かすたびに怒られるか笑われるけど、私は本当に数学が好きなの。数学以上に奇麗なものを私は知らない。応用数学は結構好き。面白いし便利だし。でも愛に近い感情を私から出すのはやはり純正数学。使い方よりコンセプトが好み。将来もし数学者になったら(これは夢かも)使いようのない美しい算式を山ほど見つけ出したい。

この写真はね、昨日の離散数学であたしが撮ったやつ。教授のマイク先生と先生が書いた可愛い数学なのだ。インターネットのお店の使うセキュリティシステムを説明する落書きと、クラスの途中に突然写真を撮りたいとか言う私に戸惑っているマイク先生。よく考えれば、離散数学は微分積分学よりコンピューターサイエンスに近いし応用数学と呼ぶに相応しいのにあたしは離散数学の方が好き。いや、でもね、離散数学でする論証はとても純粋で美しい。簡単だしさ。あたしってやっぱ数字好きだけじゃない。簡単な数字から生まれる複雑な算式に惚れちゃって、数学専門になったと思うの。